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便利?


現代社会に生きる私たちは、歩くよりも楽で便利な乗り物を得ました。それにより、以前は行くことのできなかったような所へ簡単に行くことができ、坐っているだけで、景色を眺めているだけで良くなったのです。とても良い世の中です。


このような生活を手に入れたのはいつ頃のことでしょうか?

線路の上を汽車が走り、道路を車が占領し、エアコンのおかげで、家の中は冬よりも涼しい夏があり、冬は、夏よりも暖かい。便利で、快適な暮らしです。

便利さは、人を運ぶだけでは飽きたらず、物も遠くへ運ぶようになりました。腐らないように、防腐剤を染みこませたり、凍らせたまま運んだりもできるようになったようです。自分で調理をしなくても、電子レンジで「チン」するだけで、テーブルを賑わせることもできるようです。知らない土地の、珍しい食べ物を口にできるようになったのも、便利さの賜です。季節に関係なく、いつでも、どこでも、なんでも、食べられるようになったのです。楽しい時代です。


それらによって、私たちの生活はどのように変化したのでしょうか。これから先は、どのようになっていくのでしょうか。

移動の時間が劇的に短くなり、遠くの地へ楽に行くことができ、世界中の食べ物を、自宅にいながら取り寄せ食べることもできます。しかも、大量消費の恩恵から、安い値で、一年中手にできるのです。それらのおかげで、知識が増え、脂肪も増えました。寿命が延びたのは良いことですが、病気も増えました。移動手段として、日々活用しているものは、殺人凶器と化し、テロの道具にも使われてしまう程です。便利さを追求することは、科学の進歩にとって必要なことでありますが、それらを使う私たちは、それらに使われるのではなく、適度に活用することが大切なのではないでしょうか。


特に街中で暮らす人たちにとって、自然に触れる機会は皆無に等しくなっております。自分自身で、機会を作り出さなければ、一年間、海も山も感じることなく年末を迎えることもこともあり得る程です。
たまには仕事を忘れ、都塵(とじん)を避けて野や山へゆき、あるいは海や川へゆき、自然との交流をはかりながら、自然の中に自分を置いてみるのも良いのではないでしょうか。


自然に恵まれた日本ですから、たとえ都会であっても、緑や水の流れはあるはずです

自然に触れ、自然に返り、自然の中を歩き回って、汗をかき、風の香を感じ、陽の光を受け止めることは、何にも増して、心のゆとりを与えてくれるのではないでしょうか。

現代では、エアコンなどのの普及によって、汗をかかなくてすむようになりました。エアコンは快適で、真夏でも暑さを知らずに過ごすことも可能かもしれません、ですが、それによる弊害もあることを、皆さんはすでにご存じのことでしょう。


いつの頃からでしょうか、岩盤浴が人気を博しております

岩盤浴の発祥は、重い病を患う人の湯治場として昔から有名な、秋田県の玉川温泉です。
しかし、現在の岩盤浴人気の理由は、湯治目的ではなく、気持ちのいい汗が大量にかけるからだそうです。わざわざ汗をかくために岩盤浴に通うのです。汗をかくことは気持ちの良いことですし、岩盤欲が体に及ぼすさまざまな効果は、私もよいことと思っておりますから、岩盤よく自体が悪いことではないのですが、本来、汗というものは、暑くなれば自然とかくものであり、労働や運動などのような活動をすれば、その結果として汗が出てくるものです。気温が高くなると汗が滲み、身体を動かせば汗が出るのです。元来、人々は汗というものを、これ程までに意識することはなかったことでしょう。

日本人の歴史の中で、汗をかくことだけを目的として、何かをするという時代があったでしょうか?

便や尿については、気を配っていたようですが、同じ身体から出る排泄物であっても、汗について「今日の汗はサラサラか、ベタベタか? 汗の出はどうか?」などと考える人はいなかったようです。まして、汗そのものをかくことを目的に活動することはなかったでしょう。


人間の体というものは、使わなければそれだけ衰えていく。あまり大切にしすぎても、かえって体のためにならない。

「人間の体は、使うことで開発され、使わないことで弱くなる」といったのは、古代ギリシャのヒポクラテスでしたでしょうか? 時代は移り変わっても、人の体に代わりはないということですね。

現代社会は、便利さを享受する分、多くのことを放棄してしまっているようです。
ちょっと、そこまでタバコやジュースを買いに行くために車のエンジンをかけ、寒い程に、エアコンを入れている。そんな方をご存じではありませんか?


 夏は暑いものです

 冬は寒いものです

 脚は、歩くためのものです

 偶には、汗をかいてみませんか

 自然の中に、足を踏み入れてみませんか




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