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立ち方



立ち方は姿勢の基礎となります

皆さんは、「立ち方」を工夫されたことはおありでしょうか。ここでいう立ち方とは、モデルのように美しく見せるものではなく、楽で、動きやすい、体のための立ち方です。簡単に言うと、できるだけゆったりと自然に立つということです。これが、意外と難しいのですが、感覚的にはできるだけ筋力を使わない状態で立っていただきたいのです。

ですが、私達は学校で、しっかりと立つことを教えられ続けてきました。いわゆる、踏ん張るような立ち方です。「きょーーーつけーー」という号令を思い出してしまいます。いつ頃から、現在のような立ち方が基本になったのかはわかりませんが、たぶん、幕末に西洋の軍隊様式が取り入れられた頃ではないかと考えています。明治維新後、一気に広まったのではないでしょうか。軍隊というのは、体のバランスよりも規律を重んじるところなのでしょう。

股関節や腰を固めて、踏ん張って立つことを強要され、それが、いつしか身についてしまったのだろうと思われます。そのような立ち方では長く持たないでしょうから、誰かの訓辞を聞くときには、「休め」と、いう命令が下されるわけですね。その休めも、全く休めになっていないのが現実なのですが、そんなことはお構いなしな訳です。


では、楽な立ち方とは、どういう立ち方なのでしょうか

簡単に言うと、天から吊されているような感じといえるのですが、それでは、あまりにも簡単すぎるという声が聞こえてきますので、少しだけ、噛み砕いてみたいと思います。

まず、疲れない立ち方というものを考えてみてください。どういった立ち方が、疲れないと思いますか。たぶん、全身の力が、程よく抜けているのが楽なのではないでしょうか。全く力が入っていないのが理想ですが、倒れないくらいの力は必要だと思います。外見的には、耳と肩、大転子(太腿の骨の始まりのところ、出っ張りの部分です)が一直線に並んでいることが目安になると思います。

鏡に映してもわかりにくいかもしれませんので、しっかりと確認してみたい方は、写真に撮ることをお勧めします。写真で見るとハッキリとわかると思うのですが、耳の穴・肩・大転子が、直線上に並んでいるとき、体は、微妙に波打っていることでしょう。骨盤が少しだけ前傾し、膝は微かに曲がっているような感じを持つかもしれません。膝を少し屈伸させて、最も楽な骨盤の位置を探してみましょう。決して、体の中に棒が通っているような、窮屈な姿勢ではなく、ゆったりとした立ち姿勢を意識してください。



立つための柔軟

整体的に正しく立つって、結構難しいですが、上手く立てた方は、全身の力が程よく抜けていますでしょうか。頸・肩・肩甲骨・腕・手首・体幹・骨盤・膝・足首など、色々なところを動かしてみてください。それぞれが最も緩んで、楽なところを探し出してください。探すといっても、あまり真剣にはならないでくださいよ。意識を集中しすぎたり、考えてしまうと体は硬くなり、せっかくの姿勢が崩れかねません。腕と脚はユラユラと揺れているくらいが良いと思います。

準備が整ったら、両足が程よく開いているのを確かめてください。ここで、開く幅はあまり気にしなくても結構です。体のバランスが変わってくると、間隔も変わってくることでしょう。程よく開けたら、ゆっくりと、左右の足に体重を載せ替えてみてください。ユ〜ラユラユ〜ラユラと左右の軸を感じてください。体の中心を通る正中線と左右の足の上を通る三本の軸を感じることができれば準備は完璧です。この動作を行うときにも脱力していることを意識してください。

また、左右に踏みかえるときに、身体が傾かないようにすることが大切です。体の正中線を左右の軸に重ねるように平行移動させることを考えてください。

体が堅くなっていると、踏み変えがスムーズにできないこともあります。そういう方は、まず、体を柔軟にすることから始めましょう。体を柔軟にする運動をいくつかご紹介しておきます。


体の側面からはじめましょう

立ったままの状態で、右足の軸に重心を乗せながら右手を上げます。天井を掴むように、無理をしない範囲で、できるだけ指先を伸ばしてください。次に左足の軸に乗りながら左手を右と同じように上げていきます。できる範囲でかまいませんので、手を挙げるときには、息を吐きながら、ゆっくりと三回ずつ行ってください。

終わりましたら、できる方は正坐をし、できない方は、椅子に腰掛けてください。ゆっくりと息を吸いながら、体を反らせてみましょう。これも無理は禁物です。痛くなったりしない範囲で、ゆっくりと行ってください。反らせた体を戻したら、今度は、息を吐きながら、丸めてみましょう。こたつで丸くなるイメージです。この動作も、三回ずつ行ってください。


次は、捻りです

これも、できたら正坐で行って頂きたいのですが、無理なようでしたら椅子でもかまいません。両手を頭の後ろに添えて、両肘を開いた状態で体を左右に捻ってください。息を吐きながら、三回ずつ、ゆっくりとお願い致します。

さぁ、できたら立ち上がり、もう一度、姿勢良く立ってください。

しっかりと立ち、軸を意識しながら、正中線を左右の軸に合わせるように体をユラユラ動かしてゆきましょう。どうでしょうか、先ほどよりも、体は自由に動いていますか。まだできていないという方は、焦らずに、次回に期待しましょう。いつかはできるようになるはずです。たとえできていなくても、合わせようと思うことが大切です。たとえ、ずれていようとも、合わせようと思う気持ちがあれば、効果は現れてきます。焦らず、騒がず、じっくりと、ゆったりとした気持ちで取り組んでいきませんか。




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