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腰痛のこと



整体というものを生業にしておりますと「腰が痛い」とおっしゃって来院される方が多いです。当たり前だと思われる方もたくさんいらっしゃると思いますが、その腰痛が、なぜ起こるのかをご存じない方が非常に多い・・・。
更には、湿布などというものを貼っていらっしゃる方もおられます。
腰に熱を持っているのであればいざ知らず。まるで、お呪いのように貼っておられる様子。たぶん、テレビCMを見たり、病院で貰ってきたりしているのだと思うのですが、ご本人も、それで良くなるとは思っていない様子なのです。では、なぜ貼るのか・・・。
やっぱり、お呪いのようなんです。


一口に腰痛といっても様々ですが、よく耳にするのは椎間板ヘルニアであったり、すべり症、分離症なんていうのもあります。これらの疾病は、病院で命名される訳ですが、その腰痛は、本当にそれらが原因なのでしょうか? 


膝や足先まで痺れていらり、今までどおり歩けないかたもおられれば、顔を洗うのも一苦労な方もおられることでしょうし、椅子に腰掛けることもきついという方もいます。そこで手術をなさる方もいれば、温存療法をとられる方もいることでしょう。どちらを選ばれるのかは、仕事や生活の関係と、ご本人の決断によります (ただし私の見聞から、椎間板ヘルニアで痛みが出る人は、極々まれであると思われます。十年前と今では、椎間板ヘルニアに対する考え方も大きく変わりました。

人間長くやっていると、椎間板が多少飛び出している人はたくさんいます。アメリカの統計によると、検査対象の半分に椎間板のトラブルが見つかったとのことです。しかし、その対象者には、何の問題もなかったのですから、おかしなものです)。


検査等で骨に異常がなく、原因不明のまま湿を張っている方も多いのではないでしょうか。湿布を貼って、二三日で痛みがなくなるようでしたら(そうであれば、湿布を貼る必要も無いかもしれませんが)、軽いぎっくり腰だったと笑って済ませられるというものです。しかし、たとえ軽いぎっぐり腰であったとしても、そのまま放っておけば、また繰り返してしまうことになりかねません。なぜなら、
原因が見過ごされている可能性があるからです。慢性的な腰痛もそうですが、腰自体に原因があるのではなく、それ以外に問題を抱えていることが少なくありません。

今現在、腰が痛くて座っているのも辛いという方は、脚や背中を触ってみてください。張っていたり、痛かったりしていませんか? 中には、飛び上がるくらい痛い人もおられることでしょう。それほど腰が痛くないという方でも、最近「ちょっと怠くなってきてるな」と、いわれる方であれば脚を触ってみてください。腰を痛めている方ほどではないにしろ、張りや痛みがあるかもしれません。お尻も触ってみると良いでしょう。柔らかいはずのお尻が硬くなっていたり、奥の方にいつもとは違う違和感を覚える人もいるかもしれません。



ここまで読まれた方は、「もしかして」と、考えを巡らせておられるかもしれませんが、そうかもしれませんし、そうでないかもしれません。実は、多くの腰痛は、腰が原因ではなく、足や脚、膝や臀部・骨盤に問題があったのです。


もう一度だけ、よーーく考えてみてください。
腰が痛くなる前に、
脚に怠さを覚えてはいませんでしたか? 立ち上がろうとしたときに、腰がすーーっと伸びないような感じはありませんでしたか? 普段から、自身の体と向き合っていると、体の発する信号を読み取ることができます。日に一度でよいですから、自身の体と向き合う時間を持つようにしてみてください。



このように書いていると、三四十年前の生活は、日々自分の体と向き合う生活だったのだろうなというような思いがしてなりません。トイレは和式でしたから、毎日しゃがむことになります。銭湯へ行けば、背の低い椅子に坐ることになり、自信の足腰の状態を、嫌でも確認させられたものだったことでしょう。
今では、トイレは様式になり、銭湯へ行くこともなく、たとえ風呂場で坐る機会があっても、椅子は高くなっていることでしょう。とても、生活しやすくなったわけですが、その分、体の状態を把握しにくくなっていることは事実のようです。積極的に、自分の体と対話しようとしなければできない時代のようです。


腰に不安のある方は、なるべく、自分の体の状態を確認する癖をつけると良いのではないでしょうか。




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