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頭痛の話


頭痛について書き出すと、ひとつのHPができあがってしまいますので、今回は、さわりだけですが、書いておきます。

頭痛というものは、随分と昔から人々を悩ませてきたようです。中世の時代から頭痛はあったとされていますが、たぶん、古代から人々を苦しめてきたようです。洋の東西を問わず、小説等にもそれらの記述がなされているのをみても、時代や人種に関わらず、悩みの種だったことでしょう。時代は変わり生活が変わっても、人々を悩ませる問題は続くということのようです。

現代では、テレビやパソコンなどディスプレイを凝視することが多く、目の疲れから来る頭痛が増えつつあるようです。また、様々な疾患を原因とする頭痛は多く、頭痛薬を携帯しているという人も多く見受けられます。

そこで、「頭痛の原因はこれです」と書きたいところですが、ハッキリとした結論は出されていません。宇宙のようにわからないことだらけな人体の中でも、頭の中は、不思議なことが多いようです。どれ程、医学が発達しようとも、わからないことは無くならないことでしょう。

頭痛ひとつとってみても、

二日酔いによる頭痛
風邪、気圧の変化

といった、原因がハッキリしていて、時がくれば消えてしまうものもありますが、

蓄膿症・緑内障のように網膜が圧迫されて・・・
筋肉が固くなることによって神経や血管が圧迫されて・・・
虫歯などによってリンパ節が腫れて循環器系に障害が起きて・・・

など、メカニズムがわかっていても、根本治癒には至っていないものがほとんどです。薬を飲んだり、冷やしたり、温めたり、と対処療法がとられているにすぎないのです。その時は楽になっても、根本的なところが排除されない限り、また頭痛は襲ってきます。

成人男女の一割近くの人が偏頭痛に悩んでいるらしいです。一割というと、そんなものかなと思うかもしれませんが、職場や、周りの人々の中で、十人に一人くらい頭痛持ちがいるとすれば、結構な数ではないでしょうか。それだけの人々が苦しんでいる偏頭痛ですが、ほとんど原因がわかっていないのが現実なのです。

片頭痛は若い人にも多いようですが、女性の方にに多い症状で、女性は男性の4倍から五倍の人が悩んでいるとの報告もあるくらいです。片頭痛の原因はよくわかっていませんが、頭痛持ちの方の話を聞いていると、親にも頭痛持ちが多いようですので、遺伝と片付けたくはありませんが、骨格を受け継いでいるからには、何らかの影響があるのではないでしょうか。

ではその片頭痛、何とか起きなくしたり、軽くすることはできないのでしょうか。

片頭痛には、痛みの起きる直前に前兆があったり、さらにその前に予兆がある場合があります。自分にとっての、予兆や前兆を知っておくと、対策が立てやすくなりますので、少し考えてみましょう。

考えるといっても、考え過ぎないでくださいよ。疲れますし、目も回るかもしれません。

予兆としては、あくび、イライラ、空腹感、体のむくみなどがありますが、他にも有りますので、自分の場合をどうなのか、考えてみると良いでしょう。




頭痛の直前に起きる前兆には、視覚障害や感覚障害などがあります。

前兆のうち最も多いのが、視覚障害の閃輝暗点です。例えば、仕事中などに、視野の中心部が見えにくくなり、そのうち視野の周辺にチカチカした眩しい物体のようなものが現れるという感じです。この眩しい物体が消えると、激しい頭痛に襲われるのです。

芥川龍之介の「歯車」という短編を読まれた方もおられるでしょう。

 視野のうちに妙なものを見つけ出した。
 絶えずまわっている半透明の歯車だった。
 歯車は次第に数を殖やし、半ば僕の視野を塞いでしまう。
 暫くの後には消え失せる代わりに今度は頭痛を感じはじめる、
 それはいつも同じことだった


 僕の右の目はもう一度半透明の歯車を感じ出した。
 歯車はやはりまはりながら、次第に数を殖(ふ)やして行つた。
 僕は頭痛のはじまることを恐れ、枕もとに本を置いたまま、
 ○・八グラムのヴエロナアルを嚥(の)み、兎に角ぐつすりと眠ることにした。


という一説があります。

今、このページを読んでおられる方にも、同じような経験をされたことがあるのではないでしょうか。

予兆や前兆は、片頭痛を持つすべての人に見られるわけではありませんが、自分の変化を知っておくことは頭痛だけではなく、体にとって大切なことだと思いますので、日頃から体調の変化に気をつけることは無駄ではありません。

片頭痛の改善策で大切なことは、引き金になる誘因を避けることが大切です。

例えば、ストレスをためないようにする、疲れをため込まないようにする、適度な睡眠をとるようにする、体のコリをほぐすようにする、経口避妊薬やホルモン剤を避ける、頭痛を誘発するような食生活の改善、などがあげられます。

頭痛があるときに一眠りすると、痛みが和らぐ場合があるので、睡眠も片頭痛の改善法の一つとして重要です。

片頭痛の症状がおきたときには、静かな薄暗い部屋で横になって、安静にすることが、何より一番の改善方法です。可能なら、寝てしまうのが一番です。


睡眠が、片頭痛の軽減にたいへん効果があることは広く知られています。

なぜ睡眠がよいのか。それは程よい時間の睡眠が拡張した血管を元に戻すからだと考えられています。仕事が有って、ひと眠りが無理という場合は、椅子に腰掛けて安静にするだけでも、痛みが幾分軽くなることでしょう。

コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインには、脳の血管拡張を抑えて片頭痛の痛みを緩和させることができるともいわれております。実際、実践されといる方もおられますので、試してみるのもよいのではないでしょうか。

マッサージが効くというという人もいますし、頭痛が起きている部分を指でギューッと押すと痛みが軽くなるという人や頭を冷やすと楽になる人、逆に、温めると楽になるという人もいます。同じ方法でも、人によって効果があったりなかったりするので、いろいろと試して、自分に効く改善法を見つけて苦痛を和らげましましょう。


誰もが一度は経験のある頭痛ですが、特に頭の中心部分が痛く、どんどん痛みが増してくるような時には注意してください。さらに、気分の悪く、うまく喋れないとか手足が動かしにくいと感じたなら、脳溢血などにつながる可能性もありますので、放っておかずに、周りの人に声をかけるなど、無理をしないことです。それ以外にも、どんどん痛みが増してきたり、痙攣・失語症など、いつもと違う症状や気になる変化があるときには、放っておかずに、専門家に診てもらうことをお勧め致します。


もうひとつ、頭痛で忘れてはならないのは首の張りです。

首の張りは多くの不定愁訴に関係してくるのですが、特に、頭痛やめまいといった症状にも大きく係わっています。今現在、頭痛を感じている方は、首を触ってみてください。耳の下の辺りや頚椎の横辺りに、ハリやコリのような感じはありませんか。軽く圧しただけで痛みを感じる方もいることでしょう。そのような場合は、何かで首を暖めながら、瞼を閉じて、横になるのが一番です。横になれない状況であれば、軽くストレッチをするか、なるべく首に負担のかからない姿勢で安静にしてください。

首は、日頃から頭を支え続けることで、疲労のたまりやすいところです。其の上、パソコンの普及により、仕事などの姿勢が長時間一定ということが多くなりました。それ以外の要因も重なり、以前にもまして私たちの首には負担がかかっています。首のハリは、頭痛以外にも様々な不調の原因となりますので、放っておくことなく、日頃から気にかけるようにしてください。

最後に、注意しておいていただきたい点を書き添えておきます。

一般的に、急性頭痛と亜急性頭痛と言われているものですが、急激に起こる激しい頭痛や、初めはそれほど酷くない頭痛であっても、数時間から一日といった時間の経過の間に、どんどん痛みが強まってくる頭痛です。

いつもとは違う、急激な頭痛であったり、高熱や吐き気、意識障害、痙攣、麻痺などの症状が伴う場合には、病院へ急ぎましょう。




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