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枕のこと



枕の形が健康を左右する

と書くと、大袈裟のようですが、実際、枕が合わなくて寝付けないだけではなく、体に不調を訴える方が非常に多いのは事実です。

朝、起きた時頭が重いとか、肩がこっていたり、頸の調子が悪くなっている時、その原因が枕にあると考えたことがある方もおられることだと思います。そういう私も、過去に両手に余るほどの枕を購入しては使ってみました。まさに、取っ替え引っ替えとはこのことです。ですが、市販されている枕で、思い通りの枕に出会うことは、現在に至るまでありません。

今、私の布団の上には、三つの枕が並んでいます。
寝床で本を読むのは良くないことですが、子供の頃からの習慣というものは恐ろしいもので、活字がなければ寝付くこともできません。ですから、本を読むときに使う枕が一つと、寝付くまで頸を支えてくれる枕が一つ。もうひとつは、気休めのための枕です。そして、眠りにつくときは枕をはずし、瞼を閉じます。結果、枕などない方が楽だという結論に達しました。


そうはいっても、枕がないと寝られないといわれる方に
ひとつ枕選びのヒントを書いておきます。

最適な枕の高さや形は、人それぞれ、人によって差があり、一言で何センチがよいとはいえません。ですから、市販の枕がピッタリと合う方もおられるかもしれませんが、ほとんどの方はしっくりこないのではないでしょうか。

だからといって、オーダーメイドで作るとなると高くつきますし、作っては見たものの、一週間もしないうちに、また、違和感が出てきたという話も聞きます。しっかりと作っては貰ったものの、使ってみたら、やっぱりダメだったでは、何にもなりません。素材にしてもそうです。何時間も、大切な頭と頸を支え続けてくれる枕ですから、良く吟味したいものです。ここ数年、爆発的に売り出されている低反発のものなどは、マットと共に人気があるようですが、個人的には使う気がしません。体の形になってくれても、良いことなどないというのが私の考えです。むしろ、体を歪める結果になってしまわないかと思っています。話を枕に戻しますが、枕は頸を程よく支えてくれるだけでよいと、私は考えています。ですから、理想としては、頸の幅がある、細長いものが理想です。人によって、頸の長さも違いますので、やっぱり、大量生産では限界があることでしょう。私は、肩や頸に違和感を感じている方と話させて頂くときには、自分で作ってみることをお勧めしています。

とても簡単で、あまり費用もかかりません。用意して頂くものは、一枚のバスタオルだけです。その時、注意して頂くのは、新しくて毛足の長いタオルを使ってほしいというだけです。使い古したタオルだと、少々堅い仕上がりになってしまい。寝心地が良くありません。その辺は、好みに寄りますので、絶対にそうでなければならないというほどではないにしろ、できる範囲でお願いしております。


バスタオルが準備できたなら

縦に半分におります。タオルの端を15センチほど折り返し、それを包み込むように巻いていきます。高さにも、個人差がありますので、はじめは、小指の高さくらいに巻いてみてください。頭を乗せると、凹みますので、しばらく寝てみて、自分にあった高さを見つけてください。個人差といっても、それほど大きな差があるとは思えません。自然な寝姿になるように願います。自然な寝姿とは、立っている時に似た姿勢のことです。壁に背中を付けた状態で、自然に立ってみてください。壁と頸のアーチの間に、狭い隙間ができることでしょう。その隙間が横になった時の枕の高さだと考えてみると、随分と低いものだと感じると思いますが、その高さが、体にとって無理のない高さだといえます。実際、頸を乗せると、枕は沈みますので、その分高さを調節することになります。おおよそ、小指の長さに比例するようです。つぶれた時に、小指の第二関節くらいになる高さです。ひとついい忘れましたが、巻き余ったバスタオルは、そのまま伸ばし、後頭部を乗せるようにすると良いでしょう。シーツも汚れませんし、柔らかく頭を支えてくれることでしょう。

実際に高さが決まったら、両端を紐などで縛っても構いません。毎日同じ高さで眠れることでしょう。汚れたら簡単に洗えるのも、タオル枕の良いところです。興味がある方は、一度試してみてください。今までになかった目覚めが訪れるかもしれませんよ。大体の形がわかったら、タオル以外でも、他の素材にチャレンジしてみても良いでしょう。なんといっても、枕の好みは人それぞれなのですから。自分にあった高さや形がわかったなら、同じような枕を探しに、お店へ行っても良いと思います。ぜひ、自分にあった枕を見つけ出してください。

枕は頭を乗せるものと考えられているようですが、枕は頸を支えるものと考えることもできるのではないでしょうか。考え方を変えると、違うものが見えてくるかもしれませんよ。




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