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軟酥(なんそ)の法


瞑想をしようとしても、迷走や謎想、迷騒になってしまう方も多いことでしょう。私もその一人ですから、よくわかります。先の高僧、白隠は修行の最中心身を病み苦しんでいた時、白幽という仙人から軟酥の法という瞑想法を教えられ、病が癒えたということです。
誰にでも簡単で、優れた瞑想法ですので、上手く瞑想ができないという方は、一度試してみてください。


卵ぐらいの大きさの軟酥(酥とは白隠が生きた時代のバターのことです)の丸薬を頭上に乗せたとイメージし、その丸薬が溶けて、頭上から足の先まで流れてくるのを想像しながら行う瞑想法です。



ここからは、 軟酥の法の行い方です。

まずは、床に長座布団を敷き、その上に坐蒲を置きます。坐蒲を持っていない場合は、もう一枚の座布団を二つ折りにするか、クッションで代用しましょう。直接、座布団の上に坐ってもかまいません。

まずは坐蒲にお尻を乗せて坐ります(達人坐)。
ゆったりと、体の力を抜き、呼吸を整えます。

椅子の方が良いという方は、椅子でも構いませんが、しっかりと仙骨を立てるように坐ってください。

そこまでできたら、軟酥を頭の上に乗せているのを思い浮かべましょう。軟酥は、とても美しい色をして、よい香りがする素晴らしい丸薬です。

軟酥は、徐々に柔らかさを増し、少しずつ少しずつ溶け始めます。
これが頭全体を潤し、ヒタヒタと水が浸透するように下りてきて、両肩、両上肢、胸、肺、胃、肝臓、腸、背骨、尾骨まで潤すと観想してください。

さらに両下肢を温かく潤し、足心から流れ去るのを思い描いてください。


人によって、軟酥が全身を潤し、足先から流れ去るまでの時間には違いがあることでしょう。はじめは、短時間のうちに流れ終えてしまうかもしれませんが、時間を気にしながら行うよりは良いと思いますので、自分自身の感覚で行ってください。

軟酥の法は、誰にでもできる簡単な瞑想法ですが、一度や二度では深い瞑想状態に入ることができないかもしれません。流れる軟酥をイメージしていても、様々な雑念や、周りの雑音が意識を揺り動かそうとすることでしょう。それでも構いません。雑念と戦おうとすると、人はそれに飲み込まれてしまいます。ですから、雑念や雑音から意識を背けるのではなく、積極的に向き合うのです。向き合い、認識し、消化することで、初めて、雑念や雑音を排除することが可能になります。

皆さんも、試してみてはいかがでしょう。





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